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NKT細胞標的治療について

  1. 要点
  2. NKT細胞標的治療とは
  3. NKT細胞標的治療の副作用について
  4. NKT細胞標的治療の治療スケジュール

要点

◆  NKT細胞標的治療は、長期間にわたりがんへの攻撃担当細胞(T細胞とNK細胞)を活性化し、免疫細胞による持続的ながん攻撃を可能とする治療法です。

◆  NKT細胞標的治療は非小細胞肺がんと頭頸部がんを対象とした臨床試験における良好な治療成績から先進医療になった実績のある免疫細胞療法です。

◆  他の免疫細胞療法同様、副作用はほどんどなく安心して受けられる治療法です。

◆  NKT細胞標的治療は、1コース4~8回の治療を初回投与から2-4ヵ月の期間で行います。治療自体は点滴又は皮下注射で行うため、日帰りの通院治療となります。

 

NKT細胞標的治療とは

1)NKT(ナチュラルキラーT)細胞とは

NKT細胞は、T細胞、B細胞、NK細胞に続く「第4のリンパ球」と呼ばれ、日常的には、病原体への感染防衛において欠かせない免疫細胞として働いています。

 

通常、自己の正常細胞からできたがん細胞に対しては、NKT細胞は十分な働きをすることはできませんが、NKT細胞を人工的に活性化する物質「αGalCer」(アルファ・ガラクトシルセラミド)によって活性化されたNKT細胞は、以下に述べる作用により、強力な抗腫瘍効果をしめすと考えられています。

 

2)活性化されたNKT細胞の主な作用

活性されたNKT細胞が抗腫瘍効果を示す主な作用として、以下の4つが挙げられます。

 

①がんへの攻撃を担う免疫細胞の増強作用
(*)がんへの直接的な攻撃を担うキラーT細胞、NK細胞、マクロファージなど

②チェックポイント阻害作用
 ・・・がん組織内の免疫を抑制する細胞の排除によって、再び、免疫によるがんの攻撃を可能にする作用

③血管造成阻害作用
 ・・・がん組織内の免疫環境を変化させることにより、がん組織のあらたな血管の構築を阻害する作用

④長期の免疫記憶作用
 ・・・がんに対する免疫を記憶する幹細胞を作り、長期間がんを攻撃できるようにする作用

 

3)NKT細胞標的治療

NKT細胞標的治療は、上述の作用により抗腫瘍効果を示すと考えられています。

 

NKT細胞標的治療では、まず血液から採取した単球を培養し樹状細胞に成長させます。この樹状細胞に上述のαGalCerを取り込ませて体内に戻すことで体内のNKT細胞を活性化させます。

 

がん細胞を直接攻撃する細胞殺傷性T細胞(CTL)やNK細胞の投与する免疫細胞療法では、これらの免疫細胞の多くが体内に戻した後に役割を終え数日で死んでいくため定期的に細胞の投与を繰り返す投与法が有効になってきます。

 

これに対してNKT細胞標的治療は、がんを攻撃するCTLやNK細胞などの免疫細胞の働きを高めるNKT細胞を活性化する治療法です。同治療1コースによるNKT細胞の活性は治療後半年から1年間保たれるため、CTLやNK細胞によるがん細胞への継続的な攻撃が可能になり、原発巣の進行や再発・転移の抑制作用がより長期に持続することが期待されています。

 

NKT細胞標的治療の臨床試験結の1例として、標準治療後のステージⅢ・Ⅳ・再発の非小細胞肺癌(腺癌・及び扁平上皮癌)17名を対象としたNKT細胞標的治療の臨床試験(phaseⅠ-Ⅱ)の結果が、2009年に千葉大学から報告されています。

 

この臨床試験において、NKT細胞標的治療が一般的ながん治療と比べほとんど副作用の無い治療であること、また治療中にIFN-γの値が高くなった症例(10例)での著しい生存期間延長(1年生存率100%、2年生存率60%、生存期間31.9ヵ月)が報告されています。この生存期間の結果を、この試験の症例と条件(病期や治療歴等)がほぼ同じ症例の治療成績(1年生存率30-35%、生存期間8-10か月)と比較すると、生存率、生存期間ともに約3倍の延長を示したものでした。


 

臨床試験の性質上、この結果からNKT細胞標的治療が他の治療法と比較して生存期間延長効果が高いとは解釈できませんが、この結果はNKT細胞標的治療が「効く人には著効」する治療であることを示しています。

 

今回ご紹介した臨床試験と頭頸部がんを対象とした臨床試験での良好な結果から、NKT細胞標的治療は先進医療となった実績があり、現在も研究が進められている大きな期待がかけられている治療法です。

 

NKT細胞標的治療の副作用について

特に重篤な副作用はありません。人によって、37℃ほどの微熱や倦怠感が見られることがあります。また、皮下注射で投与した場合、投与部の腫れや違和感が数日間残る場合がありますが、ほとんどのケースで自然に治まりますのでご安心ください

 

NKT細胞標的治療の治療スケジュール

NKT細胞標的治療は、1コース4~8回の治療を初回投与から2-4ヵ月の期間で行います。治療自体は点滴又は皮下注射で行うため、日帰りの通院治療となります。日程の詳細は、治療決定時にご相談の上、調整させていただきます

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